日本の選挙制度の不思議

もうすぐ知事選が始まる。

私は混雑するのがどうにも苦手な性分のため、期日前投票で済ませる予定なのだが、同僚や友人等、この知事選に注目している者はほとんどいない。そもそも投票に行くのであろうか。

知事選とは、国民が自分たちの地域のリーダーを直接選ぶことができ、いわばアメリカでいう所の大統領選と同様の制度、二元代表制が採用されている。アメリカでは自分たちの支持する党のシャツを着てアピールしたり、日本では認められていない戸別訪問を行い、国民に投票を促したりと、大きな盛り上がりを見せ、日本とは対象的と言ってもよい。事実、アメリカの2020年大統領選、民主党バイデンvs共和党トランプにおける投票率は約67%と、非常に高い。それに対して、同年都知事選の投票率は55%とアメリカのそれを大きく下回っている。

 

この投票率の低さの原因には多くの要因があるが、日本の選挙が盛り上がれない構造にあることが大きな要因であるように思う。

例えば、戸別訪問が禁止されていること。これはお金を渡したりと、不当な選挙活動を是正するために禁止されているとのことだが、今はSNSに書き込まれたりする恐れもあるため、このようなことが起こる可能性は限りなく低い。戸別訪問が可能になれば、候補者が有権者の生の声を聞きやすくなったり、有権者もあの候補者は態度が悪かった等の、今の選挙カーでの広報活動で得られる情報より、多くの情報を得ることができるだろう。

 

次に投票所まで行くことが億劫であること。日本は市役所や小学校等、普段の生活では行かない所へ足を運んで投票を行う必要があるが、フランスでは近所のカフェやパブでの投票も可能であり、ふらっと寄って投票、コーヒーを飲むついでに投票、といったことも可能だ。

 

このように、日本の知事選ももっと盛り上がって、楽しく政治に参加できてもいいはずであるし、投票率をあげることが日本の良き未来に繋がると私は思っている。

若者は政治に関心がないと言われるのは正直悔しい思いもあり、これからの日本を背負う若者の声が反映されない選挙はそもそもの価値を毀損していると考えざるを得ない。

 

【備忘】

イギリスは国民がリーダーを直接は選べない、議院内閣制を採用。日本の総裁選がこれにあたる。日本は二元代表制と議院内閣制のハイブリッド選挙を採用。